なるほど!お菓子事典 〜小さな製菓専門学校〜

製菓理論専門家が軽やかに、そして熱く語ります。

'混ぜる'の意識を'乳化させる'に

今回の個人レッスンのテーマは

'ガナッシュ'

だったのですが

チョコレートのガナッシュに入る前に

乳化についてもう少し理解を深めてもらう為に

以前こちらのブログでも紹介した

ココアドリンクの実習から

 

www.bonbonciel.work

先ず私が乳化を意識してココアドリンクをデモして

続いて同じ事をしてもらおうと思ったのですが

 

「センセ、じゃあ乳化を意識しないでただ混ぜて温めたらどうなるの?」

 

「おお、そうですね。じゃ、なんも考えずにテキトーにやってみます?」

 

「やるやる!やってみます(笑)」

 

そして彼女は鍋に計量した牛乳に直接ドバッとココアパウダーを

投入して混ぜ始めました。

でも、もちろん混ぜはかなり丁寧に。

その後火にかけ温め。

 

見た目はそんなに変わりませんでしたけれど

私は

飲んでみて違いをはっきり感じることができました。

 

さらっとしてるなぁ........

 

乳化を意識しないで作ったココアドリンクを飲んだ一口目の感覚です。

 

乳化を意識して作ったものはとろみがあるというか濃厚とまではいわなくても

ココアというよりショコラショーに近い感じ。

 

おもしろいですよね。

 

ココアドリンクとしては

この舌触りって好みもあるかとも思いました。

さらっとしてるのが悪い訳ではないから。

 

でも乳化させるということでは違うんですけど。

ここは勉強なので(笑)

 

さて

ここでガナッシュですけれど

 

ガナッシュとは

チョコレートをベースに生クリームと混ぜ合わせたもので、生クリームの一部またはすべてを牛乳、卵黄、洋酒などに置き換えることで味に変化をつけたり、風味を持たせることができる。

(製菓衛生師全書より引用)

 

単純にチョコと液体を混ぜたものになる訳ですが

この'混ぜ'

'乳化させる'です。

この乳化状態がうまく作れないと

口当たりが悪くなったり、固まらなかったりするんですね。

先ほどの

ココアドリンクのさらっとした状態と同じ感じです。

 

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 今回の生徒さんがなぜ'ガナッシュ'をテーマに選んだのかと言うと

この固まらないのはなぜ?

ってところからだったのですけれど。

ガナッシュはただ混ぜるではうまくいかない事が多くなるということです。

たまたまのタイミングで上手く乳化出来る事もあるので、

だからみんなわけわかんなくなるんですけど。。。

 

'混ぜる'の意識を'乳化させる'に変えてみてください。

 

ガナッシュの作り方は以前のブログでもご紹介しているので

よろしければこちらを

 

www.bonbonciel.work

 

バレンタインも近くなってきましたので

洋酒の入った作りやすそうなガナッシュの配合が同じ教科書にありましたので

ご紹介しますね。

 

〈ガナッシュ・オ・ロム〉

生クリーム       80g

スイートチョコレート 150g

バター         15g(やわらかくしておく)

ラム酒         30g

 

1:チョコレートをボールに入れ常温にしておく

2:生クリームを沸かす

3:チョコレートの入ったボールに沸かした生クリームを入れしばらくおく

4:チョコレート全体に沸かしたクリームの温度が行き渡ったと感じたら

  真ん中からゆっくり混ぜ始める

5:全体が同じ状態になったらやわらかくしておいたバターを加えあわせる

(バターのやわらかさとガナッシュのやわらかさが同じくらいに)

6:ラム酒を加えて混ぜる

7:涼しい所で一晩おく

 

ガナッシュ作りでのポイントのひとつとして

'いそがない'

というのがあります。

チョコレートが美味しく固まるにはある程度のゆっくりした時間が必要なんです。

だから

手作りする時も一日で終わらそうとはしないで

2、3日かけて作る事を楽しんで欲しいです。

その方がきっと自分でも満足のいくできあがりになるはずですよ。