美味しいココアを飲みたいならば
チョコレートの授業にはもちろんチョコレートだけでは無く
ココアパウダーの話も入ってくるのですが
ココアパウダーもお菓子の材料としてかなり重要な位置づけですものね。
じゃあ
ココアパウダーって何で出来ているのか
ご存知でしょうか?
製菓衛生師試験の過去問にも
そんな問題が出題されています。
「ココアパウダーはチョコレートを粉砕して出来たものである」
これ、答えはバツです。
<ココアパウダー>
ココアはカカオマスを加熱したカカオペーストを圧搾して、ココアバターを採取したココアケーキを粉砕したもの。
(製菓衛生師全書より)
ようは、ココアパウダーって
ココアバターを搾り取ったあとの絞りカス(言い方がこんな表現しか出来なくてすみません)を粉にしたものなんですよね。
で、
カカオバターを絞ってはいるけど完全には絞りきれてないのでカカオバターも入ってるんです。
だから'油脂'でもあるんです。
それを踏まえて
今回のテーマである
「ココア」を美味しく作るには
・ココアパウダーが'油脂'であること。
・もっと詳しく言うと'カカオ脂'であるということ。
これを意識しなければいけないということになります。
「ココアパウダーを牛乳に溶かせばココアになる」のは、市販のインスタントココアだから…
それはそれで美味しいですけど(笑)
今回はそうでは無くて、きっちりと理論的にココアドリンクに向き合ってみましょう。
理論的にココアを作るとなると
まず
牛乳にココアパウダーを'溶かす'
ではなくて
牛乳とココアパウダーを'乳化させる'
になります。
もーまた乳化です(笑)すいませんしつこくて…
でも仕方ないんですもん。
だってココアパウダーを油脂として考えるとそうなっちゃう。
じゃ
作り方を追っていきます。
<ココアドリンク>
ココアパウダー 15g(大さじ2)
牛乳 180g
砂糖 好みで
スパイス こちらもお好みで
1:牛乳を'ぬるく'温める。(触って温かいと感じるくらい)
これはチョコレートを溶かす感じの温度です。ココアパウダーはカカオバターも入っているという考え方から。
決してグラグラ沸かさない事。
2:ぬるく'温めた牛乳をココアパウダーに加えてゆっくりペースト状にする。
ようは、チョコレートのガナッシュを作る様なイメージです。牛乳の水分とココアパウダーの中の油脂を乳化させるわけです。
3:ペースト状になったココアパウダーに牛乳を少しずつ注ぐ。
糸をたらすように注いでいきます。このとき牛乳はぬるいまま。乳化のいい状態をキープするようにゆっくり混ぜながら。
4:混ぜ切った状態。ここに好みの甘さで砂糖を加える。
ちなみに私はスパイスも加えました。(おいしいから(笑))
ココアパウダーがだまになって溶け残っている状態にはなりません。
溶け残っていたなら乳化がうまくいかなくて分離している状態と同じですね。
5:再び火にかけて温めて出来上がり。
ここまで理論に基づいて作るとびっくりするくらい美味しいココアドリンクになります!
自分で作って言うのもなんですが
理論ってすげ〜!!と改めておもいました(笑笑)
なぜ、ココアのドリンクを作ろうと思ったかと言うと
先日のチョコレートの製菓理論の授業の際に
生徒さんが
「ココアプリンを作ったけどココアが溶け残ってしまって.....
でもレシピを紹介しているサイトでは残ってもしょうがないですぅ〜
みたいに書かれてて.....」
なんて話から.......。
「笑.....しかたないってのはないなぁ....それ、乳化できてないってことですね。
お家のおやつならそれもありだけど。」
そこで、ちゃんとやればココアプリンも美味しく出来るんですよなんて流れになって
ココアドリンクだってね........っと。
で、今回です(笑)
ちょっとだけ手間がかかりますけどその分納得の仕上がりです。
チョコレートは使っていませんが濃厚なショコラショーを飲んでいるような感じです。
美味しいココアが恋しくなってくる季節でもありますし
ぜひ
ゆっくりココアパウダーに向き合って美味しいココアを体験してみてください。